正義の前に、無力さの話をしていたんじゃなかったんだろうか。
善意の前に、絶望の話をしていたんじゃなかったんだろうか。
ふと見渡せば、半径200mの善意の万能感が満ちあふれている。
その事に誰も気付かない。
本当は気付いているのに気付かないふりをしているのだろうか。
それもわからない。
それほどに無邪気な善意の万能感。
過去は、こんなにも簡単に忘れ去られるものなのか。
繰り返されてきたはずの議論はすべてなかったことにされているのか、あるいは、そんな議論はもともとなかったのか。
無化された歴史の現在に、茫洋と手を振る。
あなたの正義も、ささやかな善意も、本当に助けを必要としている、目の前の大切なたった一人さえ、助けることは出来はしないのだ。
だから、と言うわけではないけれど、この前提がない正義や善意の空疎さに、彼らが気付いているのかいないのか、その事さえわからない。
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